市長になったつもりで仕事をしろ
新採当時、上司や先輩いろんな人から言われた言葉が「市長になったつもりで仕事をしろ」だった。
あんまり多くの人から言われたので、疑問を持つことなく、そういうものだと思って働いてきた。
しかし、その意味するところは様々。市民にとっては、向き合う職員が市の代表なのだ、そのつもりで応対せよというもの、市役所の仕事は幅広いのだから自分の担当の仕事だけを考えてはだめだというもの、たらい回しはするなというものなどなど。
今、管理職になって、部下から「この仕事は○○課がやるべき」、「いやいや私のところではなく△△課の所管です」などと言われることがある。聞きながら、「それ、どっちにしろ僕の所管の仕事やんか、押し付け合いせんとじゃんけんでもして早く決めて」と思うことがままある。市長がそういう思いをすればたまらない。
ところで、そう言った人達は、後々、大局長になった人もいれば、市民と大けんかして飛ばされた人、メンタルの病に陥った人、外に女を作って蒸発した人など様々だ。
それでも当時は、酒を飲んだら文字通り、みんな市長になったつもりで、あんな上司では仕事にならんとか、これからはこういう方針でやるべきだなどと口角泡を飛ばしていた。
仕事が優れて達成されていたかどうかはともかく、なぜ、そんなに仕事への愛着やモチベーションが高かったのだろうか。そんなことを言い合い一緒に酒を飲めることがその源だったのかと今にしては思う。