My役所ライフ

役所生活30数年のエピソードを通じて、役所でのちょっとした仕事のコツや活き活きと働くヒントを紹介します!

話し方の練習はしてますか

    話し上手な上司がいた。市民向け講座や職員研修で率先して講師をつとめ、笑顔を絶やさず、わかりやすく話をする。随行していて、いつもすごいなあと思った。

「どうして、そんなに話が上手なのですか」と尋ねると

「練習したら誰でもできますよ。あなたも話し方教室に行ったらどうですか」

 

 話すという行為を練習するなんて思いもしなかったが、薦められるまま僕も応対研修やプレゼンテーション研修などに参加し、興味を覚え本も読んだ。

 ところが、それらの多くは、話は起承転結でまとめよとか、相手の話をきちんと聞く傾聴が大事とか、相手が必要と思うことを話せとか、話の中身に関することで人としての姿勢・資質に関わることが多く、一朝一夕に習得できるものは少なかった。

 

 でも、やっぱり話しは、最低限、自分の言いたいことをきちんと言える(伝えられる)ようにするのはすごく大事。そのため精神論ではなく、僕なりに、気を付けておくだけで改善されると思う点は次のとおりです。

 

 まず、話し始める言葉のトーンを少し高めにすること。相手に威圧感を与えず、自分も高揚するので、話が進みやすい。もちろん、状況を考えてのことだけど。

 次に、なくて七癖というように、自分の話しクセを封印すること。多くの人は、えーと、あのうが実に多い。あるいは、~ですからと文章を続けまくるので、何を言いたいのかわからず、文章の区切れがない。それらを封印して、ワンセンテンスを続けてしゃべることを意識しましょう。また、話はじめに「でもね」と始める人も多いが、喧嘩を売るしゃべり方なので封印。

 自分のクセを封印することで、相手がしゃべっている最中でも、次の言葉は何をしゃべろうという反撃をする意識が落ち着くし、相手も聞きやすくなる。

 それから、つい思ったことをズバッと言いすぎる人向けには、自分の主張を断定口調にせず、語尾に「~かもしれないね」「という考えもあるかなあ」を付ける。

 そして、できるだけ、ゆっくりしゃべるなど。これらに気を付けることで、一方的なしゃべりから「対話」になりやすいです。

  自分の話し方の特徴を考えて、いくつかの機械的なパターンを決めておくと格段に話がうまく聞こえますよ。

 

 マラソンを始めるならランニング教室に行く。練習をすれば速く走れる。料理も自己流もあるけど、上手い人のマネをする方が絶対においしいものが作れる。話し方だけが話せてるからと軽視される理屈はないと思う。

 

 ところで、その上司は、子どもの頃、吃音に悩まされ何とか克服したと思ったら、係長試験の口頭試問では緊張のあまりまったく受け答えができず、周りを心配させた経歴の持ち主だった(と別の人から聞いた)。どれだけの練習されたのでしょうか。