My役所ライフ

役所生活30数年のエピソードを通じて、役所でのちょっとした仕事のコツや活き活きと働くヒントを紹介します!

文章の書くコツ(1) まず文章は、主語をいれた単文の連続で作る

 

 

 ある大会の宣言文を作る機会があった。経済関係の決起集会で、地域経済の現状やこれからの政策への提案などを会長が読み上げるというものだ。当然、格調高い文章を創ろうとした。

 草案が出来上がり、当時の上司にみせたとき、だめだしをくらった。「重文、複文が続き文章が長い。主語がないから、何を言っているのかわからない。誰が読んでもわかるようにせよ。広報文の基本がなっていない」

 草案については、周りの人にも見てもらっていたし、結構、好評だったので、なんやと思ったし、実際、そう言った。すると、「じゃあ、徹底的に付き合うから校正しよう」と夜中まで拘束された。

 

 その人の直し方は、きわめてシンプル。すべての文章に主語と述語を付け単文化することだった。

 確かに文章を書く時のコツというか、失敗しない方法は、その上司が言ったように、重文、複文をできるだけ避け、単文を意識し、主語を必ずいれることだ。

 腹が立っただけに、その記憶は、今の僕の文章作りの基本となっている。

 

 役所にはいると文章を書く機会が多くなる。最初は、過去の文章を焼き直したり、いろいろな文章を繋ぎ合わせたりすることから始まる。

 すると、「本市に、より多くの観光客に来ていただくために、様々な観光資源を開発するとともに、おもてなしが充実されることによって、集客が促進される」という文章のように、能動態と受動態が入り混じっていたり、最初の「~ため」と後段の「~促進される」と同じ目的を重複して記述したりの迷文が登場する。

 「本市は、集客を促進する。そのために、様々な観光コンテンツを開発する。おもてなしを充実させる」と文章を短くきれば、間違わないし重複も避けられる。

 

 ところで、直してもらった文章は、確かにわかりやすくなった。でも、はっきり幼稚っぽかったので、別の上司がさらに直しを要求してきたということにして、また元に戻して完成原稿にした。