My役所ライフ

役所生活30数年のエピソードを通じて、役所でのちょっとした仕事のコツや活き活きと働くヒントを紹介します!

部下は怒るか褒めるか

 巷に出版されている人材育成本のほとんどは、部下は褒めて育成しよう。

 顧みると、褒められたことが自分の財産になっているだろうか。

 褒められることは確かに気分がいい。でも、何に褒められたか、褒められたことで、これから、それを教訓にしようと、その言葉を思えていることはない、これが。

 とはいえ、褒められたら頑張ろうと思う。頑張った。そのモチベーションが自分を育てたと言えば、その通り。

 

 一方、怒られた時は、どうだろうか。実に覚えている、これが。

「おまえは何もわかってないくせに、勝手にそんなことしやがって」とか、「あいつが君は偏った奴としか付き合ってないと言っているから気をつけろ」とか。「お前がそんな自分本位なら、もう話はしない」と言われたこともある。

 

 とはいえ、時間が過ぎると、結局、怒られたのは、その人間が自分の感情を納めるためであったり、怒ることで僕を思い通りに誘導したかったりしているだけじゃあと自分なりに結論づけがち。本当にそうかもしれないし、そう考えることで自分を守っているのかもしれないけれど。

 いずれも、そういう怒られかたでは何も残っていない。じゃあ、部下のすることに何か言うべきと思う時はどうするのか。

 失敗した時、延々と諭してくれた上司、「こんなしょうもない失敗をわざわざ気が付いて大げさにいうやつがバカや」と言って、黙って周りに誤りに行ってくれた上司、「ごめん、ごめんなあ、迷惑かけて」と泣き続けた上司、何も言わずに飲みに連れて行ってくれた上司。

 

 いろいろな人に本当に迷惑をかけ、本当にいろいろな形で教えてもらった。

 

 でも、その共通していることは、すべては僕のためと思って話してくれたのではないか。少なくとも、その一つ一つ、僕は厳しい言葉で怒られても、うれしく思っているし、言葉で伝えてもらってなくとも「これからはこうしよう」と心に刻んでいる。

 

 (書きすぎだけど、これからの管理職の皆さんには、相手のことを本当に思ってさえいれば、ためらわず自分のスタイルでぶつかったらいいと思いますよ)