公務員のマイナスの思考
皆さんは、売れる商品をもっと売ろうとするのか、売れ行きが悪い商品をなんとか売ろうとするのか、どちらに力を入れますか。
自分が店をやっていれば、売れる商品は、もっと仕入れて、もっと売るし、売れない商品は、仕入れをやめるのではないでしょうか。
ところが、売れない商品をなんとかしようとするのと同じように、役所の仕事は、問題に対応するのがミッションである場合が実に多いです。何らかの事情で貧困に陥ってしまった人の生活を守り、再び自立してもらおうとするセーフティネットの分野はまさにそうです。また、行財政改革もマイナスを減らしていこうとすることです。産業振興という前向き分野でも不況業種をどうするのかといった問題があります。
むしろ役所の存在意義でもある訳ですが、この思考パターンをすべての分野に当てはめると、予期せぬ問題も生じる。
都市振興や観光集客などの分野で、人気のある商品を売ろうとせず、人気はないけれども、自分たちの思い入れだけで、プロモーションをうまくすれば売れるかもといった行動です。
これは、株や為替でいうところの逆バリみたいなもの。順張りという世間の行動と異なることは、むしろリスクが伴い、マイナスに着目した結果、公務員が最も忌むマイナスを増やすことになりかねません。
民間の方と一緒に話し、仕事をしていると、実に多様な価値観があり、判断があるなあと思います。
僕自身の自戒としては、何十年と染みついたマイナスに目を向けがちな公務員の思考回路を今更、否定しようがないし、かといって、絶対、それに縛られないようにしよう。
多様な価値観の1つに思い、そんな民間の人達の価値観の中でもまれて行くことで、答えを見つけていければいいのではないかと思います。