人が育つのは721
ある経営学の先生から教えられたのですが、人が育つ要因は、7(経験):2(訓示):1(研修や自己啓発)と言われているそうです。
経験とは、ちょっと困難なことを任されて、それをやり遂げたときに一皮むけるという状態。自分を振り返ると、確かにそうした経験がありました。
成功への努力のプロセスが、それ以後のハードルにも応用していけるということはもちろん、思わずガッツポーズしてしまう結末を通じて、頑張ることのおもしろさを知ることも大きいのではないかと思います。そして、ある経験は新たな経験に導いてくれます。
訓示とは、尊敬できる上司や師から教えられる言葉。このブログで紹介している諸先輩の言葉もそうだと思います。ちなみに、「この上司は、説教ばかりでうっとうしいなあ」と思うだけなら、それは前提となる「尊敬できる」が抜けているから。上司は、その前提を忘れてはいけませんが。
最後の研修や自己啓発は、いわゆる座学というものです。リーダーシップやプラニング、プロジェクト具体化などが重視される昨今、職員研修に予算を割いている割には、この原則ではその効果は、1だそうです。
確かに、よく言われることですが、この講師は素晴らしかったなあと思うだけでは、音楽会に行って感動したといっているのと同じ、リフレッシュ効果しかありません。したがって、最近の研修では、疑似体験を重視したアクションラーニングが盛んになっています。(なお、スキルや知識習得の研修は、この原則とは違います)
721の人材育成の原則は、経験的にも納得するものです。
ところが、自分たちが自己成長のために何をしているかというと、ひとつ上の仕事に積極的に挑戦したり、この人という上司や先輩から仕事の心構えや経験を自分から教えてもらったりということになっているでしょうか。
色々な研修に参加したり、あるいは、啓発本を必死でたくさん読んだりすることに時間を割いているのではないでしょうか。(僕自身も、本が山積みになった状態になんか満足しつつ、何が書いてあったかほとんど覚えていない)
もちろん、組織がそういう姿勢で人材を育てているかどうかが最も大事なのです。