My役所ライフ

役所生活30数年のエピソードを通じて、役所でのちょっとした仕事のコツや活き活きと働くヒントを紹介します!

役所の広報の大きな勘違い

 役所のだすパンフレットは、とにかく細かくダラダラ長く、何が言いたいのかわからないといわれていたが、最近、すごく工夫がされるようになってきた。

 あれも書ななきゃ、これも書かなきゃと言い訳のために書いていたのだが、デザインやアイキャッチ重視で、「詳細はHPをご覧ください」といった形に委ね、かなり洗練されてきたと思う。

 しかし、そのパンフレットの行く末はどうかというと、結構、誰も見ない棚(、ひどいときには倉庫)に山積みになり、賞味期限切れで廃棄されることも少なくない。

 

 役所は、市政記者クラブがあったり、市民が多く訪れる出先事務所などに予めパンフレット置き場があったりで、配ることに苦労しない。そこで、パンフを配ることに気を回す必要がない。

 役所の人間は真面目で、最高のパンフレットを作ることを最高のミッションとがんばるのだが、誰に、どこで配ってどんな風に使うのかという営業の視点が欠けがちになる。若者相手の広報だったら、役場の市政案内コーナーにパンフを置いてもまったく意味がない。

 

 民間の広報や営業の人は、パンフを作ることを目的にするのではなく、どれだけ多くの人に知ってもらうのかを考え、その手段としてパンフを作る。パンフレットは、あくまでもマスコミを回ったり、ターゲットを直接訪問したりするための道具だ。

 

 大事なことは、誰に伝えたいか、彼らにリーチする手段は何か、そのうえで、どんな風に中身を作るかを考える徹底したマーケットインの思考。

 どんな素晴らしい名画を完成させても、誰も見ることのできない密室に展示するなら、意味はないのだから。

 

 今回は、ちょっと真面目に今、悩んでいくことを書いてみた。